医院名 |
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なにわ皮ふ科医院 |
院長 |
浪花 志郎 |
住所 |
〒755-0043 山口県宇部市相生町3-18 |
診療科目 |
皮膚科、アレルギー科 |
電話番号 |
0836-22-1617 |
皮膚汗腺細胞に貯留の汗は自律神経の働きで分泌され、皮膚表面から蒸発していく際に気化熱を奪う作用で全身の体温調節に深く関与しています。成人は一日当たり約2000mlの水分を様々な飲食で摂取し、そのうち約1500mlは尿、約200mlは呼気、そして約300mlは汗、それぞれ体外へ出ていきます。
汗の水分は皮膚表面から蒸発していく際に、液体分子から気体分子へと運動量が増加し、そのエネルギーは体温から得られていきます。そして身体の恒常性の維持のためにさまざまな条件下で、不可欠な貢献をしています。ところが、恒常性維持に関係なく、勝手に自律神経が汗腺細胞を動かしていくのが多汗症です。
全身性と局所性に大別されますが、手のひら足の裏あるいは腋の多汗症などは、暑さ・スポーツなどの際の汗とは分泌動態が、別次元、厄介な難治性の症状です。
これまでの治療は、汗腺から皮膚表面へとつながる管の中の汗のタンパク質を例えれば豆腐のように凝固させて管に栓をした形となって、汗の分泌がストップする効果を期待して、塩化アルミニウム液が頻用されてきました。ただ、その欠点は、ワインの瓶のコルク栓が外れていくのに似て、凝固タンパク塊が徐々に押し上げられていって、数日以内で、皮膚表面から失われてしまい、再び発汗異常が始まるという機序でした。
これに対して、コロナ禍の本年、新薬が登場してきました。汗腺細胞に関与する自律神経の末端部分に直接作用して、汗の分泌をコントロールしていこうとする試みです。
今後、この新薬の全国的な治療経験のすそ野が広がっていくことが望まれるところです。
低温乾燥の冬季には、お肌の燥肌から皮膚掻痒(そうよう)が発現しやすく、不快なストレスの方が増加と推察されます。
皮膚は表皮、真皮、脂肪組織の3層構造です。表皮細胞は約3日に1回ほど分裂・増殖し、順次表面に押し上げられて、重なって、生きた細胞層を形成します。約1か月後に角質細胞(あか)となって角質層に移行し、さらに押し上げられて、約2週間後に皮膚表面から剥離・脱落します。
毛包付属の皮脂腺から分泌される皮脂は、毛孔から皮脂膜となって皮膚表面を薄く被覆し、水分蒸発を調整します。また、表皮細胞から産生される保湿成分も同様の働きをしています。以上の成分は高齢化に伴って徐々に減少し、蒸発していく水分量は増加していきます。たとえば、青・壮年期の角質層水分濃度が20%だと、高齢期では10%~5%に低下していき、皮膚の乾燥化が顕著となります。
かゆみとは、皮膚末端のかゆみ担当知覚神経細胞が興奮して、その信号が脳脊髄神経回路を伝って脳内かゆみ担当中枢部に感知されている現象です。かゆみ担当知覚神経細胞がなぜ興奮しているのか?そのほとんどは、ヒスタミンという物質の刺激で興奮すると考えられています。真皮内の肥満細胞は普段は静かにヒスタミンを蓄積しています。何らかの理由で刺激されると、ヒスタミンは大量放出され、かゆみ知覚神経細胞を刺激して、かゆみ信号が発現します。殊に日常生活の何気ない動作により乾燥肌が衣類でこすれていると、その機械的刺激が肥満細胞を刺激しやすくなります。
家庭内での入浴の目的は皮膚表面の異物や微生物あるいは古い角質細胞を除去、血行を改善して身体を温める、気分をリフレッシュする、この3点です。高齢者では、皮脂膜を過度に洗い流すと皮膚の乾燥化が促進されますので、石鹸類の使用は3日に一度ほどがお奨めです。
綿類はそれほどの心配は無用ですが、化繊類を直接素肌に身につける日には、こすれ過ぎには気を配っておきましょう。
皮膚表面のしっとり感を維持していくために、保険診療ではワセリン類、尿素類、類ヘパリン様物質などが外用剤として頻用されています。外用の際の種類、濃度、量、頻度は顔面、体幹、四肢などの部位によっても個人差があり、また気象変動、室内エアコン環境などの影響も強く受けますので、自分に都合の良い条件=至適条件は医師のアドバイスを参考に、自分で試行錯誤的に見出すことも重要です。
1)通常の生活では昼の脳中枢神経は緊張していますので、皮膚末端からのかゆみ信号はマスクされてそれほどかゆいとは感じないかもしれません。夕刻から緊張が緩んでくるとかゆみをはっきり感じるようになり、入浴で心身が暖まってリラックスした後にはかゆみがいっそう増強、さらに就寝後にはかゆみだけが脳に感じられて、安眠・熟睡のさまたげとなります。就寝中にひっかいて掻破痕となると、もはやスキンケアだけでは不十分な状況です。かゆみ止めの内服剤や抗炎症剤の外用が有効となります。
2)かゆみ止めには種々の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤が単独あるいは複合的に応用されます。その薬理作用の効果発現には不都合な副作用が発揮されることもあり、医師の指導のもとでの内服が安全でしょう。内服でも不十分な場合には、真皮に炎症が隠れていることが推測され、弱~中レベルのステロイド外用剤の数日間使用で、単純なスキンケアに戻ることがしばしば経験されます。
自己対策での効果に満足不十分であれば、積極的な医療機関への受診が求められるでしょう。第一選択は、アクセスしやすい医療機関です。また受診できない事情がある場合には、往診の依頼も選択肢です。「痛いのは我慢できるが、かゆいのは我慢できない」との訴えはよく耳にします。かゆみで脳中枢が過敏状態になる前に早めの受診を心がけましょう。
冬は風呂上がりの肌がかゆ~い季節
そうだね~夜中にぐっすり眠れないと翌日がつらいね
あーいっそ宇部市がハワイみたいだったらいいのに
ははは常夏の国だったら肌が乾燥しなくてすむかも
安眠は明日への栄養剤!何か保湿剤を塗って寝ようか
外用剤ならコンビニや薬局もいいけど医院の処方は確実だよ
ふーんどんなのを処方してもらえるのかなあ?
ワセリン系尿素系類ヘパリン様等があると聞いてるけど
塗った時のフィーリングはどうなんだろう?
軟膏ならしっとりクリームならさらさらローションならさっぱり
いろいろあるんだねでも一人だったら背中は塗れないよ?
それが良くしたものでお一人様向けスプレータイプがあるんだって
な~るほど一人ひとりの実状に合わせてきめ細かくなってるんだ
気温20度、湿度60%を超えていくと、一般的にカビの繁殖天国です。
夕食のカレーライスの残りがあっという間に青カビで覆い尽くされる、そんな経験はありませんか?
水虫のかび「白癬菌」もそのようなカビのうちの一種、皮膚表面にとりついて、垢の蛋白を無制限に食い荒していきます。
すると、微小の傷が誘発され、雑菌が侵入し、リンパ線が腫れて痛くなって…。
昨今は街の薬局で比較的容易に外用剤が手に入りますが、どうも効果が今ひとつ?そのような場合は、菌と薬のミスマッチが強く示唆されていますよ。
当医院は、薬局では市販されていない保険薬で対応が可能です。
亜熱帯のような夜が続きますが、みなさん、お変わりありませんか?
高温多湿の寝苦しい毎日だと、なんとなく“元気力”が底を尽いてくるような・・・
こんな時の対策は、お一人ひとりなにか取り組まれておられることでしょう。
巷間にもさまざまな商品が流通していて、はて?どれを選んだら良いものやら・・・。
が、ですが、ちょっと待って!そういうのって、症状としての対策ではないでしょうか。
ひょっとして症状を超えて、病気のレベルだったら、どうしたものでしょうか。
幸いに、そんな場合にの健康保険の漢方剤が有効なこともありますよ。
漢方剤の中で「補剤」と言われるグループから、その人の症状・体質に応じて選択できるのです。
当院でも皮膚の健康を守りたい、という観点からも併せて、幾種類かの補剤を対応できます。
どこかのプールでは幼児たちの歓声が楽しそう!
我が子たちの姿を微笑ましく見守っているママたちも楽しそう!
おや?いまひとつさえない表情のママたちが何やらひそひそ・・・
「うちの子が水イボで困っているの。小児科を受診したらほっとけばそのうち消えますと言われたんだけど逆に数が増えてきてしまって。不安なんだけどどうしたものやら」
「そうよねえ。ひっ掻いて雑菌が化膿したり飛び火になったりすることだってあってよ。兄弟や周りの子たちに伝染していくと迷惑になるしね」
「悩ましいわねえ。でも痛くないように取ってもらったら!」
「あらそんなことできるの?」
「できるわよ かんたんよ!歯医者さんの歯茎の麻酔 あれをテープにしたのを水イボに張っておけば1時間で麻酔が効くらしいわよ」
「それだったらつまんで取ってもらっても痛くないわね」
「その麻酔のテープも健康保険が使えるんだって」
「まあ、うれしい」
( 1回の摘除は10個以内が いいようです )
治療前
第1回切除
第2回切除後
高齢化にともない 視力低下 腰痛 腹部肥満 指の筋肉が不自由 寝たきり 独居 などさまざまな状況を背景に爪切りが思うようにならなくなります。
いつのまにか爪が伸び過ぎてそれまで重宝していた器具では切れなくなって困惑。
やがて・・・
水仕事では洗剤に直接触れぬように手袋の適切な使用がすすめられます。
長時間の手袋着用では汗蒸れに注意が必要です。
汗でゴムの成分がにじみだして、さらに皮膚に浸透してくることもあり得ます。
原因物質への対応と適切な外用・内服療法が必要となってくることが多く、放置しておく疼痛のみならず、亀裂から細菌感染ひいてはリンパ管炎・急性リンパ線炎合併のリスクが発生します。
皮膚病治療で並行して便秘の改善・治療が必要とされるのは以下の様なメカニズムが発現している場合があります。
便秘で腸管内細菌のバランスが崩れて
ちょっと足ひざ腰の簡単なチェックをしてみましょう
褥瘡(床ずれ)ケアの流れを、説明しています。
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最近、アトピー性皮膚炎の皮膚のバリア機能異常にフィラグリン遺伝子変異の関与が示唆されています。
フィラグリンとは、皮膚の顆粒層にあるケラトヒアリン顆粒に多く含まれるプロフィラグリンの分解産物で、ケラチンを凝集させ、表皮細胞を平坦化させる働きを持ち、皮膚のバリア機能を強固なものにしています。
さらに、フィラグリンが分解されて天然保湿因子となり、角層の水分保持に寄与しています。
フィラグリンはこれらの働きで皮膚のバリア機能に貢献しています。
バリア機能が低下した皮膚では、ダニなどのアレルゲンが慢性・反復性に皮膚に侵入し、生体の免疫反応によって炎症が惹起されます。
また、ヒスタミンや種々の炎症性サイトカインが産生・放出されることで、痒みが生じ、掻破を繰り返すことでさらに皮膚のバリア機能が損なわれるという悪循環が生じます。
症状緩和や再燃予防には皮膚のバリア機能異常の改善と予防が非常に重要です。
外用保湿剤を十分に活用していきましょう。
最近はフィラグリン増加を促す保険外用薬も登場しております。
1. 約30% フィラグリン遺伝子 機能喪失・発現低下
2. 2型炎症⇢ 皮膚バリア機能低下
1)セラミド減少(アシルセラミドなど超長鎖脂肪酸)
2)角層タンパク成分減少(フィラグリン・ロリクリン)
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